狩場一酒造(兵庫県丹波篠山市)は2024年1月に、同社初となる熟成酒「時の職人」を発売した。合わせて同月にはクラウドファンディングの手法を取り入れた「蔵ファン」の運用も始めた。
同社は酒蔵に併設する直売所での売り上げが全販売量の8割ほどに達する地域密着型の酒蔵で、今後も丹波篠山の地で酒造りを続けていくには、新たな日本酒造りや新たなファン作りが必要と判断した。
時の職人は雑味の少ない熟成酒
「時の職人」は2008年に醸造した日本酒を15年間寝かせたもので、ドライフルーツやハチミツのような香りが感じられるという。
飲み方は、熟成酒の持つ味の奥行きや拡がりが味わえる常温のほか、ぬる燗程度に温める方法やロックや冷酒などもよく、同社では味付けのしっかりした中華料理やジビエ(シカやイノシシエなどの野生動物の食肉)料理のほか、アイスや生クリームを使ったスイーツとの相性もいいとしている。
蔵ファンはファンが集う場所
蔵ファンは、狩場一酒造のファンが集い、同社の代表銘柄である秀月の価値や楽しみ方を発信する場としてスタートした。
出資者には、しぼりたて新酒の生酒や、夏酒、オリジナルTシャツなどを提供するほか、酒蔵見学会や、試飲会、地域の飲食店とコラボした日本酒講座などにも招待する。