明利酒類（茨城県水戸市）は、元副社長の小川知可良博士が開発した、爽やかな香りの成分であるカプロン酸エチルなどを多く造り出す小川酵母を用いて、代表銘柄である「副将軍」を生産している。

田中酒造（北海道小樽市）は、１年中酒づくりを行う四季醸造を行っている。通常は冬に仕込む寒造りが一般的だが、北海道の冷涼な気候を活かして、四季を問わず安定した酒造りを実現している。

吉久保酒造は話題が豊富だ。大谷翔平選手が所属するロサンゼルスドジャースの本拠地であるドジャースタジアムのVIP ルームで、同社の「純米大吟醸」が提供されているほか、サバ専用の日本酒「サバデシュ」や、サケ専用の日本酒「サーモンデシュ」を製造しているのだ。

チョコレートだけに合うように作られた泡盛がある。石垣島にある池原酒造所（沖縄県石垣市）が造っている、その名も「Awamori　for　chocolate」。和名は「チョコレート専用泡盛」。

日本盛（兵庫県西宮市）は「もっと、美味しく、美しく。」をスローガンとして掲げる。日本酒で「もっと美味しい毎日」を作るほか、化粧品や健康食品でもっと「美しい明日」を、食品で「もっと楽しい一日」を作るというのだ。

石井醸造（ 神奈川大井町）は、酒米などの原料を3回に分けて仕込む「三段仕込み」ではなく、４回仕込みを行う「四段仕込み」を採用している。しかも４回目は通常の酒米ではなく、「もち米」を使うというのが大きな特徴で、同社ではこの製法によって濃醇でコクのある味に仕上がるとしている。

熊澤酒造（神奈川県茅ヶ崎市）は、湘南に残された唯一の酒蔵として、さまざまなことに挑戦している。「オーク樽8年熟成酒」「湘南ビール」「クラフト・ジン」といった酒造りから、「蔵元料理 天青」「ダイニングレストラン」「mokichi cafe」と実に盛りだくさんだ。

鳳鳴酒造（兵庫県丹波篠山市）は、モーツァルトの交響曲第40番「愛よ永久に」、ベートーベンの交響曲第６番「田園」、丹波篠山の民謡「デカンショ節」の3曲を聞かせながら醸造した日本酒「夢の扉」を販売している。

日本酒業界の中では若い企業に入る黄桜（京都市、1925年創業）は、その若さを逆手にとってテレビCMの放映や地ビールの生産、日本酒と地ビールの両方の製造過程が見学できる伏水蔵の建設などに挑戦してきた。

豊島屋酒造（東京都東村山市）は、敷地内にある井戸からくみ上げた水に、酒造りに不向きな鉄分が含まれているため、逆浸透膜を用いて濾過したうえで使用している。これによって米の持つ風味や味わいに関わる物質などが多く含まれることになった。