「四段仕込み」を採用する「石井醸造」濃醇でコクのある味わいに

酒蔵

石井醸造( 神奈川大井町)は、酒米などの原料を3回に分けて仕込む「三段仕込み」ではなく、4回仕込みを行う「四段仕込み」を採用している。

しかも4回目は通常の酒米ではなく、「もち米」を使うというのが大きな特徴で、同社ではこの製法によって濃醇でコクのある味に仕上がるとしている。

4回目にもち米を投入

三段仕込みは、4日間で3回に分けて原料となる酒米と麹と水を投入する方法で、初日は酒母(酛=酵母と酒米と水で造った日本酒の素)と、酒米、麹、水を合わせて全体の15%ほどになる量をタンクに投入する。

2日目は何もせず、3日目に酒米と麹と水を合わせて全体の30%ほどの量を投入し、4日目に酒米と麹と水を合わせて100%となる量を投入する。

この後3週間から5週間かけて、発酵させると日本酒ができ上がる。石井醸造は3回目の原料の投入のあとに、さらにもう1回、もち米を投入するという。

4段仕込みにすることで、酒質は濃醇になり、甘味を感じるようになる。同社では濃醇タイプをメインにしているが、淡麗な日本酒もそろえており、「まろやかで穏やかな味わいは、女性や初めて酒を飲む人たちにも好まれる」としている。

同社では毎年2月に酒蔵見学を受け入れている。見学は冬場の酒の仕込みの時期や、酒蔵の状況により酒造りに影響のない範囲で実施するという。

見学は予約制のため、急な見学はできないが、うまくいけば四段仕込みの作業を目の当たりにすることができるかもしれない。

作業を見られなくても酒蔵見学では試飲が可能のため、四段仕込みを味わうことができる。

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