純米酒だけを生産する「高嶋酒造(静岡県沼津市)」多くの米を使い地域に貢献

酒蔵

高嶋酒造(静岡県沼津市)は2012年に、醸造アルコールを添加する本醸造酒の生産をやめ、米と米こうじと水を原料に造る純米酒だけを生産している。

できるだけ多くの米を使うことで、地域社会に貢献するのが目的で、アルコール添加の多い普通酒や、微量添加する大吟醸や吟醸酒は、この数年前から販売を行っていない。

300年以上かけて届く湧き水

高嶋酒造は、日本最高峰の富士山を眺めることのできるJR原駅を降り、徒歩5分ほどのところにある。東海道五十三次の一つである原宿のあった場所だ。

原駅から同社に至るまでの道路の名称は酒蔵公園通りといい、道路脇に水汲み場がある。現在の水飲み場は2006年に高嶋酒造が協力して、この場所に設置されたもので、300年から330年ほど前に富士山に降った雨や雪が水となって湧き出ており、同じ湧き水を酒造りにも使用している。

基本受け入れない蔵見学に例外も

高嶋酒造が製造している日本酒のブランド名は「白隠正宗 (はくいんまさむね)」。原宿にあった松蔭寺の住職で、臨済宗(参禅問答による自己究明を教えの中心に据える仏教の一派)の中興の祖と言われる白隠禅師(1685年-1768年)に由来する。

高嶋酒造では蔵見学を行なわないことを基本としているが、例外として同社製品のファンで、酒造りの現場に興味がある人や、研究や勉強目的で同社の酒造りに興味がある人には、受け入れを検討するという。

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