日本酒業界の中では若い企業に入る黄桜(京都市、1925年創業)は、その若さを逆手にとって業界初となるテレビCMの放映や京都初の地ビールの生産、日本酒と地ビールの両方の製造過程が見学できる伏水蔵の建設などに挑戦してきた。
テレビCMは1961年に始め、独特のカッパのキャラクターを用いた映像は強いインパクトを与えた。その後の1988年に放映した「黄桜 ドン(呑)」のCMの最後に流れる「きーざくら、どん!」を記憶している人は少なくないだろう。
日本酒メーカーらしいビールを製造
地ビールは、日本酒の仕込み水に使われる「伏水」を使った濃い赤銅色をしたビールや、清酒酵母を使用した清酒の風味がほのかに香るまろやかなビールなど、日本酒メーカーらしい特徴のあるビールが数多くある。
地ビール事業参入と同時に開業した地ビールレストラン「カッパカントリー」では、地ビールや日本酒を楽しめるよう「酒蔵弁当」や「クリームチーズの酒粕漬け」など酒蔵らしい料理を提供している。
伏水蔵では実際に使われている麹室を見ることができるほか、地ビールの醸造釜や発酵タンク、缶への充填設備などを見学できる。
見学後はレストランと、おみやげ店で日本酒やビールを実際に飲むことができ、純米酒、吟醸酒、にごり酒が楽しめる「日本酒飲み比べセット」や3種の地ビールが楽しめる「地ビール飲み比べセット」、全国新酒鑑評会で金賞を獲得した大吟醸などが用意されている。