洞窟から湧き出る水を使う「小澤酒造(東京都青梅市)」伝統的な生酛造りも維持

酒蔵

小澤酒造(東京都青梅市)は全国的にも珍しい岩盤を横に140メートルほど掘った洞窟から湧き出る水(中硬水)を仕込み水として使っている。

さらに数キロメートル離れた山から採水した湧き水(軟水)とミックスしたうえで使用するという独自のスタイルだ。

武陽に込めた思いとは

同社を語る上で欠かせないのが720ミリリットルで1万2100円という純米大吟醸 の「武陽」。同社は「澤乃井の伝統と革新、そして水の可能性を最大限引き出した特別な一本」と、武陽に込める思いをこう表現する。

小澤酒造は伝統的な製法である生酛造り(酒蔵に生息している乳酸菌を利用して日本酒の種となる酒母を造る作業)を守ってきた。

この生酛造りの手法を用い、35%まで磨いた酒造好適米山田錦と、中硬水と軟水の二つの湧水をうまくブレンドした仕込み水を使って仕上げたのが武陽なのだ。

10種以上の日本酒が試せる「きき酒処」

小澤酒造直営の「きき酒処」では、大吟醸酒や季節限定酒、古酒など10種類以上の酒を利き酒ができる。注文すると100ミリリットルほどの容量のある猪口(ちょこ)に半分ほど日本酒を注いでくれる。

その猪口には小澤酒造のシンボルマークであるカニの図柄があしらわれている。カニをシンボルマークに採用した際に、お披露目の会で「いいデザインだが、カニだけに売り上げも横這いでは」と指摘されたため、図柄は少し傾斜つけ、右肩上がりになるように修正してある。

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