消滅した酒米・亀の尾を復活させた「伊豆本店(福岡県宗像市)」久原本家の傘下で地方創生にも注力

酒蔵

伊豆本店(福岡県宗像市)は、病害虫に侵され姿を消した酒米「亀の尾」を復活させ、酒米の名前をそのまま使った大吟醸「亀の尾」を製造している。

亀の尾は長年「亀の尾に優る酒米なし」といわてきた酒造りに適した酒米で、復活を志して収穫できるようになるまでに7年の歳月を要した。

同社の純米大吟醸は地元産の亀の尾を50%精米して醸造しており、風味豊かな味わいが特徴で、いろいろな食事に合うという。

世界遺産の地で300年前に創業

伊豆本店は1717年創業の老舗で、福岡藩(現在の福岡県)から酒造株を贈られ酒造りを始めた。現在は約20種類の商品を手がけている。

同社のある福岡県宗像市には、世界遺産の「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群があり、観光地として関心が高まりつつある。

新たな宗像ブランドを開発

伊豆本店は、「茅乃舎だし」をはじめとする化学調味料や保存料無添加製品を手がける久原本家グループ本社(福岡県久山町)の傘下に入った。

今後、伊豆本店の建屋を、日本酒と茅乃舎だしなどを販売する売店に改装するとともに、日本酒と和食を組み合わせた商品開発などに取り組む。

さらに、両社が連携して、世界遺産の地である宗像の新たなブランド開発を進め、地方創生にも貢献するとしている。